
オールオン4を検討する際、多くの方が気になるのが「保険は使えるのか」「費用はどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
オールオン4は、少ない本数のインプラントで片顎の歯を支える治療法として知られていますが、治療内容によっては高額になることもあります。
実際には、基本的に保険適用外とされるケースが多い一方で、症例や治療の選択肢によっては費用負担を抑えられる可能性もあります。
この記事では、オールオン4の保険適用の考え方や、費用を抑えるために知っておきたい方法などについて解説します。
原則としてオールオン4は保険適用されない

結論としては、オールオン4は自由診療に分類されるため、保険適用されません。
そもそも、保険に適用されるのは、病気やけがに対して必要性が高い治療が中心です。
「歯並びの乱れが気になる」「欠損した部分をカバーしたい」といった理由では、保険適用での治療が難しいのが現状です。
もちろん、オールオン4に限らず、歯科治療の領域において、すべての治療法が保険適用になるわけではありません。
オールオン4を保険診療で受けようと検討していた方は注意しましょう。
オールオン4が保険適用されない理由

歯を失ったり、口元の見た目にコンプレックスを抱えていたりする方にとって、オールオン4は検討候補に挙がる場合があります。
しかし、原則としてオールオン4は保険適用されないため、治療を受けるべきか悩む方が少なくありません。
ここからは、なぜオールオン4が保険適用されないのか、詳しい理由について解説します。
制度上「最低限の機能回復」が目的のため
そもそも保険診療は、多くの人が必要な医療を受けられるようにするための制度です。
歯科治療でも、「噛む」「話す」といった基本的な機能を回復させることが重視されていて、オールオン4以外の治療でも対応できると判断されています。
見た目や使用感などへの配慮がまったく考慮されないわけではないものの、制度の中心にあるのは、日常生活に必要な機能を一定水準で補うことなのです。
そのため、オールオン4のように外科処置やインプラント体の埋入を伴う治療は、どうしても保険適用になりにくいという背景があります。
総入れ歯・部分入れ歯で代用可能と判断されるため
オールオン4が保険適用されないのは、必ずしも手術を行わなくても、総入れ歯や部分入れ歯でも十分対応できると判断されるからです。
歯を失った場合、オールオン4も選択肢になりますが、費用を抑えながら基本的な機能を回復できる方法として入れ歯があります。
実際、オールオン4と入れ歯とでは、費用面で比較すると数十万円~数百万円の差が生じます。
審美性や使用感なども求める治療は原則として保険適用されないため、オールオン4は自由診療で受ける必要があります。
オールオン4が保険適用されるケース

原則としてオールオン4は自由診療となりますが、例外として保険適用されるケースもあります。
ここからは、オールオン4が保険適用される事例について解説します。
先天性の疾患が影響している場合
オールオン4が保険適用されるケースとして、まず挙げられるのが先天的な原因で、顎の骨を失っている場合です。
先天性の疾患によって口腔トラブルが生じているような、特殊な事情があれば保険が適用される可能性があります。
とはいえ、すべての歯科医院で対応しているわけではなく、公的な医療機関のほか、特定の大学病院など、限られた歯科医院で治療が可能です。
腫瘍や事故が影響している場合
腫瘍や事故の影響で顎の骨に大きな欠損が生じてしまった場合、保険診療でオールオン4を受けられるケースがあります。
見た目や使用感などを求めているわけではなく、再建治療のためにオールオン4が必要と判断されれば保険適用されます。
ただし、仮にオールオン4が保険適用されても、使用する素材や取り入れる治療法などは自由に決められません。
一定の制限の中でオールオン4の治療を受ける必要があります。
オールオン4や他の治療の費用

歯の喪失や顎の骨の欠損などのトラブルがある場合、オールオン4やその他の治療ではどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここからは、各治療法の費用について触れていきます。
オールオン4
オールオン4は自由診療となるため、歯科医院や治療方針などによって金額は大きく変動します。
ただ、一般的な目安として見ると、術前の検査や診断費用に5万円程度、インプラント体の埋入手術費用に150万円前後かかります。
また、人工の歯の制作にかかる費用は、60万~200万円程度です。
オールオン4の総額は、安価なケースでもおよそ200万円、高額なケースでは400万円近くに及ぶこともあります。
総入れ歯
総入れ歯は保険診療で対応できる場合が多いです。
術前の検査や診断費用は2000円程度、入れ歯の制作費用は2万円ほどである傾向にあります。
手術などは行わないため、総入れ歯の総額は2万~3万円程度となります。
ただ、総入れ歯の素材を自分で選んだり、治療法にこだわりたい場合は、自由診療という形で受けることが可能です。
自由診療の場合、かかる費用は選ぶ素材や治療方針によって異なりますが、15万~80万円程度が目安です。
部分入れ歯
保険診療で部分入れ歯の治療を選ぶ場合、総入れ歯同様にまずは術前検査や診断料などで2000円かかります。
総入れ歯よりもサイズが小さいため、制作費用は数千円から1万円程度であることが多いです。
ただ、素材や治療方針を自分で選べる自由診療で受けると、40万円程度かかるケースもあります。
インプラント(1本あたり)
自由診療でインプラントを入れる場合は、1本あたり30万~50万円程度です。
ただ、術前検査や診断などでも費用がかかるため、症例によっては、総額で100万円以上にも及ぶことがあります。
インプラント1本でも高額な治療であり、複数本の埋入となると、数百万円以上かかる場合もあります。
ブリッジ
欠損した部分をカバーするための治療であるブリッジは、失った歯だけでなく、その両脇の歯を削って支えにする処置も必要となるため、3本分の費用がかかります。
ブリッジの相場は3本で、保険診療の場合は1〜3万円、自由診療の場合は15万~30万円ほどであり、インプラントやオールオン4よりは費用が低めです。
ただ、ブリッジの場合、欠損部の両脇にある健康な歯を削らなければなりません。
支えとなる歯に負担がかかってしまうことがあるため、リスクやデメリットを医師と相談したうえで検討する必要があります。
オールオン4が高額なのはなぜ?

オールオン4が他の治療と比べて高額になりやすいのはなぜなのでしょうか。
ここからは、オールオン4の治療費が高額な理由を詳しく解説します。
使用する材料が高額な場合が多い
オールオン4は、使用する素材が純チタンや合金など、高額な場合がほとんどです。
高額な素材を使用する理由は、生体親和性が高く、長期的に安定して機能しやすいからです。
また、オールオン4で使用するパーツは、選ぶ製品によっては、海外から取り寄せる必要もあり、結果的にコストが高くなってしまう場合があります。
先進設備の導入コストが含まれる
オールオン4は、専用のCTや口腔内スキャナー、サージカルガイド作製システムなど、先進機器を必要とする治療です。
オールオン4に対応するためには、歯科医院は高額な先進設備を導入しなければならず、総額で数百万円から数千万円かかります。
そのうえ、各設備は導入後も定期的にメンテナンスをしたり、ソフトウェアを更新したりしなければならず、維持費も発生します。
オールオン4の治療には、上記の導入コストや維持費用が含まれているため、費用が高くなりやすいのです。
特殊な技術を用いるため「技術料」が高め
オールオン4は特殊な技術が必要な治療であり、その技術料が治療費に含まれています。
実際、オールオン4では、顎の形状や骨の状態をきちんと把握したうえで処置をしたり、インプラント体の埋入角度を細かく調整したりする技術が必要です。
現状、オールオン4に対応できる技術を持つ歯科医師はまだまだ限られている状況であり、技術料が高く設定されやすい傾向にあります。
歯科技工士の人件費が反映されている
オールオン4の費用が高額なのは、歯科技工士の人件費が反映されていることが理由の一つです。
オールオン4は、即日で仮歯を装着できるのが特徴であり、そのために歯科技工士が常駐していたり、近隣の提携技工所と連携していたりすることがほとんどです。
つまり、即日対応できる歯科技工士の存在が必須といえます。
そのうえ、即日で制作するためには、短時間で完成させるための技術力・集中力が求められるため、人件費も高額になりやすいのです。
オールオン4の費用を抑える方法

オールオン4の費用は高額になってしまうことがほとんどですが、工夫次第で総額を抑えやすくなります。
費用を抑えてオールオン4を受けたいと考えている方は、以下の方法を検討してみてください。
医療費控除を申請する
オールオン4は自由診療であるものの、医療費控除の対象です。
年間の医療費が10万円以上、もしくは所得金額の5%以上になる場合は、医療費控除を申請できます。
また、治療費のほか、通院にかかった交通費も医療費控除の対象となります。
確定申告で申請する必要がありますが、所得税の一部が還付される可能性があるため、領収書など、支払った証拠はきちんと保管しておきましょう。
費用を抑えられる素材を選ぶ
オールオン4は、選ぶ素材次第で費用を下げられる可能性があります。
自由診療であるため、素材を自分で選べる場合が少なくありません。
また、人目に入りやすい部分のみ、審美性の高い素材を使用し、奥歯のような見えにくい部分はコストを抑えやすい素材を選ぶといった併用もできます。
とはいえ、埋入部位や症例によっては、選べる素材の幅に制限が生じるケースもあるため、まずは医師に相談しながら検討することが重要です。
複数の歯科医院で費用を確認する
オールオン4は、自由診療であるため、歯科医院ごとに費用が異なります。
そのため、複数の歯科医院に見積もりを依頼し、それぞれの費用を比較したうえで選ぶことが重要です。
とはいえ、歯科医院は費用のみを重視して選ぶのは好ましくありません。
技術力や実績、信頼性などもふまえて歯科医院を選ばないと、医師とのコミュニケーションでストレスを感じたり、仕上がりがイメージと異なったりと、想定外の事態に陥る可能性があります。
歯科医院そのものの質の良さをふまえたうえで、費用面も比較するよう意識しましょう。
分割払い・ローンを活用する
オールオン4の費用は、歯科医院によっては分割払いやデンタルローンで支払える場合があります。
一括で治療費を支払うのが難しい方でも、分割払いやローンであれば負担を抑えやすいと感じる方もいるのではないでしょうか。
ただ、すべての歯科医院が分割払いやローンに対応しているわけではありません。
歯科医院によっては、一括払いのみの対応であるケースもあるため、あらかじめ歯科医院に確認しておく必要があります。
なお、近年ではクレジットカード払いに対応している歯科医院も増えてきています。
歯科医院側で分割払いやローンに対応していなくても、使用するクレジットカードの分割払いサービスを利用するといった選択肢もあるでしょう。
金利手数料もきちんと確認したうえで、クレジットカード払いも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
オールオン4は、特殊な事情がない限りは、保険適用にならない治療です。
ただ、工夫次第では費用を抑えられる場合もあるため、歯科医師と相談しながら、無理なく受けられる計画を立てることが重要です。
医療法人慈正会 難波歯科医院は、患者様の希望を優先して治療計画を立てています。
オールオン4の費用関連もふまえ、疑問や不安に寄り添って、一人ひとりに適した治療を目指しているため、まずは一度お気軽にご相談ください。
監修者情報
難波歯科医院 歯学博士・理事長
難波 正英
経歴
- 1992年小田原高等学校卒業
- 1998年日本歯科大学卒業
- 1999年日本歯科大学附属病院臨床研修課程修了
- 医療法人 慈皓会 波多野歯科医院勤務
- 2003年臨床研修指導医資格取得2006年ISOI(国際口腔インプラント学会:ドイツ本部)インプラント認定医取得
- 2007年難波歯科医院勤務
- 2011年医療法人慈正会を設立 理事長に就任
- 2014年東北大学口腔システム補綴学教室博士課程修了
- 「歯学博士号」取得 博士論文タイトル
- 「パーシャルオーバーデンチャーの支台インプラント・支台歯・床下粘膜の荷重様相に関する生体力学的研究」
所属・資格
- ISOI(国際口腔インプラント学会:ドイツ本部)インプラント認定医
- 臨床研修指導医
- 日本補綴歯科学会 会員
- 日本口腔インプラント学会 会員
- OJ 会員(インプラントの学会)
