
難症例・骨造成インプラント
長年、歯を失ってしまい、入れ歯やブリッジをしたり、歯を抜けたままにしている方は、もともと歯を支えていた骨(歯槽骨)が痩せ、そのような状態だと、一般的な歯医者ではインプラントをすすめられない場合があります。
このようにあごの骨が足りない方は、通常「難症例」のインプラントケースと言われています。当院では、そのような骨が不十分に足りない方でも、ほとんどの場合、高難易度インプラント治療を可能にしています。
▲当院でのサイナスリフト法による骨造成治療のインプラント例
主訴 | 上顎の入れ歯が合わなくなってきたのでインプラントにしたい。 |
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初診時年齢/性別 | 50歳女性 |
治療期間 | 10ヶ月 |
費用 | インプラント:42万円×8=336万円(税別) 人工骨:10万円(税別) |
リスク副作用等 | インプラントのリスク・副作用について |
他院でインプラントを断られた患者さんが、当院でインプラント治療をお受けになられ、多くのお喜びの声をいただいております。
当院での骨造成治療の種類
当院で対応している骨造成・再生治療は以下の内容となります。
GBR法(上あご・下あご)
歯を支える歯ぐきの中の骨(支台歯)の厚みや高さが足りない場合に、骨補填剤を盛り付けて骨のボリュームを取り戻す方法です。盛り付けた骨補填剤の上にはカバーの目的でメンブレンと呼ばれる膜をかぶせた後、歯ぐきを縫合し、数か月後に骨が出来るのを待ってからインプラントを埋入します。
サイナスリフト法(上あご)
上あごの骨の高さが足りない場合に、上あごの上にある上顎洞と呼ばれる空洞部分に骨補填剤を入れて、インプラントを埋入するだけの骨の高さを作る方法です。上あごの頬骨の横から小さな穴をあけて、上顎洞とシュナイダー膜と呼ばれる薄い膜との間に丁寧に人工骨を詰めていきます。数か月後に骨がしっかり出来るのを待ってからインプラントを埋入します。
ソケットリフト法(上あご)
あらかじめインプラントを埋入する場所に、専用の器具で穴を空け、そこから人工骨を徐々に詰めていき、骨の高さをカバーする方法です。骨補填剤の充填と同時にインプラントを埋入し、数か月後に骨が出来るのを待ちます。
応用:水圧を使ったソケットリフト法
ソケットリフト法とは違い「水圧」を使って埋入する穴から骨補填剤を充填する方法です。
これがうまくいくとサイナスリフトや従来のソケットリフトよりも低侵襲で腫れも少なく、患者さんのお体に負担をかけません。患者さんも楽ですし、術者側のドクターにも負担がかかりません。ですので、この方法は、まずトライしてみて、適応でない場合は通常のサイナスリフトに切り替える方法をとっております。ウォーターグラフトとも呼ばれる最新の骨造成方法です。
CGFによる再生療法
よく血液の中の「血小板(けっしょうばん)」が出血を止める働きがあると聞いたことがあるかと思います。また血小板は傷を治す働きもあり、この血小板を患者さんの少量の血液から取り出して、治療箇所にあてがい、治癒促進をする目的で開発されたのがCGFの機械です。
▲遠心力で分離した血小板のフィブリンゲルを外科処置の傷口にあてがい縫合します
▲CGFの機械とゲルに骨補填剤を混ぜて、手術時における操作性を向上させます
上記でご紹介した骨造成治療と併用して、主に傷口の治癒促進の目的で使用します。従来のPRP等における遠心分離機は、血液に人工製材を混ぜるものが多かったのですが、このCGFにおいては100%ご自身の血液を使用しますので、安全性がさらに高まり、当院の治療においても、傷の治りや腫れの点においても非常に予後が良好な方が多いと感じております(当院の臨床における感想です)。
このCGFは、近年歯科医院の中でも急速に普及が進んでいる最新の再生医療機器で、導入しているクリニックは限られています。骨造成によるインプラント治療をご検討されている方は、検討材料の一つとしてこのCGFにご注目いただければと思います。
さらに侵襲を減らし、治癒を促進させる工夫
ピエゾーサージェリー
歯を支えている骨などを切削する機械です。固い骨だけに刃が反応し、歯ぐきなどの軟組織は気づ付けないような仕組みになっています。
また効率よく削った骨を自家骨として再生させたい場所に生かすこともできますので少なからず治癒が促進されます。
レーザー治療
歯ぐきの縫合の際にレーザーを当てることにより、傷の治りの予後がとても良好になると感じています。
当院では外科処置以外にも、虫歯や歯周病治療等においてレーザーを使用することがあります。
オールオン4による骨造成をしないインプラント
▲オールオン4
総入れ歯の方で、あごの骨の厚みが足りない場合は、最新のインプラント治療・オールオン4による治療が可能な場合もあります。この方法はグラフトレス法(骨造成をしない)とも呼ばれております。
詳しくは、オールオン4治療のページをご覧ください。