
CT撮影 綿密なインプラント
当院では、院内にシロナ社製の歯科用CT「ORTHOPHOS XG 3D」を導入し、インプラントに限らず、親知らずや歯の神経の位置などを正確に診断し、安全性を高め、より正確な治療に役立てております。
インプラントにおいては、術前撮影だけでなく、術中や術後もしっかりと正確な位置に埋入されているかどうかの確認をするための撮影をしなければならないため、院内にCTの無かった時代は、近くの大病院までCT撮影に足を運んでいただくことに、いつも「申し訳ないな」と感じておりました。それがレントゲンと同じような感覚で手軽に院内で撮影できるようになったことは大きなメリットです。
院内に小型の歯科用CTを導入している歯科医院は限られております。インプラント治療を検討されている方は、歯科医院内にCTが設置されているかどうかも、検討材料の一つになるかと思います。
CTのある医院環境の比較
院内レントゲン![]() |
大病院等の医科用CT![]() |
院内での小型歯科用CT![]() |
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撮影の手軽さ | 院内 | CTのある施設まで移動が必要 | 院内 |
撮影方法 | 立って撮影 | 寝て着替えて撮影 | 立って撮影 |
スライス幅 | なし | 1mm(厚い) | 0.1mm(薄い) |
画像の鮮明さ | △ | ○ | ◎ |
装置の大きさ | 小さい | 大きい | 小さい |
撮影料金 | 治療費に含 | 別料金 | 治療費に含 |
立体画像 | 不可(平面のみ) | 可(立体) | 可(立体) |
骨の厚みの確認 | 不可(歯科医師の感) | 可 | 可 |
放射線量 | 少ない | 普通 | 少ない |
CTでどのような安全性が高まるのか
触れてはいけない神経の位置の確認
インプラントのスクリューはあごの骨に埋めいれますので、当然のことながら、事前に上あごや下あごに通っているさまざまな神経の位置を確認する必要があります。
とくに注意しなければいけないのが、下あごに通っている「下歯槽管(かしそうかん)」と呼ばれる下あごの神経の位置です。これに触れたり傷つけたりすると、しびれや麻痺が残ったりと、経験の浅い歯科医師によるトラブルが増えていると言われています。親知らずの抜歯治療でも、この神経の位置は必ず確認します。
血管の位置の確認
上あごや下あごにはさまざまな血管が通っていますので、事前に血管の位置を確認します。レントゲンでは確認できないような血管もCTなら確認できることが多いです。
間違って傷つけてしまうと出血で外科処置に余計な時間がかかってしまいますし、患者さんの負担にもなります。
あごの骨の厚みや高さ・奥行の確認
下あごの神経に触れないように深さを確認、また上あごの上顎洞を到達しないように、適切な長さのインプラントを入れるにはCT撮影による骨の高さの確認は必須と言えます。
またインプラントを埋入する角度によっても、将来的なインプラントの寿命、そして上にかぶせる歯(上部構造)の寿命を左右しますので、骨の厚みを確認して適切な角度で埋入することはとても大切です。
シロナ社製のCTにした理由

現在、数多くのメーカーが小型の歯科用CTを販売していますが、シロナ社製CTにした理由は、もともとシロナ社がレントゲンに強い会社だったためです。
もともとがレントゲンの開発会社なので、信頼性が高いと思ったのが導入の決め手です。
CTデータを利用したノーベルガイド
▲ノーベルクリニシャン
当院では、撮影で得たCTデータを利用し、ノーベルクリニシャンという解析ソフトを用いて、インプラントを安全に埋入するための「ガイデッド・サージェリー」というガイドを患者さんごとに製作することも可能です。それを患者さんのお口にあてがい、インプラント治療を行っています。